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安立 裕人; 大江 純一郎; 高橋 三郎; 前川 禎通
no journal, ,
スピントロニクスで主役を演ずるスピン流は、これまで金属中の伝導電子によって媒介されるものだと理解されてきた。しかし最近、「局在磁化の低エネルギー励起(スピン波もしくはマグノン)が媒介するスピン流が存在する」という認識が確立しつつある。慣習的に、前者の(従来型の)スピン流のことを"伝導電子スピン流"と呼び、後者のスピン流を"スピン波スピン流"と呼ぶ。スピン波スピン流の重要な特性の一つは、伝導電子スピン流と比べて伝搬距離が格段に長いことである。実際、伝導電子スピン流は数十nmから数m程度で減衰してしまうのに対し、スピン波スピン流は少なくとも数mm程度まで減衰しないことが実験的に示されている。さらにごく最近、磁性絶縁体における"絶縁体スピンゼーベック効果"が報告され、スピン波媒介スピンゼーベック効果というシナリオを検証する格好の舞台を提供している。ここでは、ごく最近観測された磁性絶縁体イットリウム鉄ガーネットにおけるスピンゼーベック効果に焦点を当て、スピン波媒介スピンゼーベック効果というシナリオについて議論する。